こんにちは、株式会社CUE(キュー)の松見です。
この記事では年間10棟ほどの棟数を丁寧に建築されている工務店経営者様に向けて、小さな工務店が、集客面で効率良く大きな成果を上げる方法をお伝えしていきます。
結論、一刻も早くYouTube運用をやるべきという話です。事例を交えながら、この記事を読んだ後に具体的に何をしたらいいかまで簡潔にまとめています。5分程度で内容を理解できるようになっているので、ぜひひとつの選択肢として検討してみてください。
目次
集客ツールであるYouTubeに対して、工務店経営者が抱いている誤解
「YouTubeは大手のハウスメーカーがやるもので、うちのような小さな工務店には関係ない」そう考えている経営者やWeb担当者は少なくないです。
確かに、動画制作やYouTubeの定期的な運用は手間もコストもかかります。限られた人員で、営業・設計・現場でお客様のために尽力されている小さな工務店さんにとっては、YouTubeの活用は優先順位が低く感じられるかもしれません。
しかし実際には、小さな工務店だからこそYouTubeは効果を発揮するツールです。なぜなら、棟数が少ないからこそ一棟ごとに込めた想いや強み・お施主様とのストーリーを丁寧に伝えることができ、それが未来の顧客との接点になっていくからです。
ここで解いておきたい誤解は、YouTubeはある程度の規模感の住宅会社しかできないのではなく、小さな工務店にこそチャンスが無限にあるということです。
上記の前提で記事を進めていきます。
従来のWeb広告ではなく、YouTubeは資産を積み上げられるメディア
小さな工務店が抱える代表的な課題は「営業リソースの不足」と「広告費の制限」だと思っています。大手ハウスメーカーのように大量の広告費を投じることはできないですし、Webマーケティングの専任の人材を増やすほど人件費に余裕がないケースが多いでしょう。
私も会社を経営している身でして、人を雇う可能性もリスクも理解しています。これからの時代、雇用に変わる何かを積み上げていかないといけないという危機感もあります。
そんな時代背景の中で有効なのが、YouTubeです。
従来のWeb広告は出稿を止めれば効果も消える掛け捨て型、チラシも配布をやめれば効果は消える、せっかく予算と労力を投下したのにインターネット上に資産が残っていないのは悲しいですね。
一方で、YouTubeは、一度動画を投稿すれば半永久的に残り続ける資産になります。URLの共有ひとつで情報を届けることもできます。
完成見学会に来られる人は物理的に限られてしまいますが、ルームツアー動画として公開すれば、数ヶ月後・数年後でも新しいお客様から見つけてもらえる可能性があります。
過去の建築実績が動画で積み上がり、未来のお施主様と出会えるきっかけになるのです。
YouTubeが10年後にもたらす資産価値
YouTube運用の最大の強みは実行したことが積み上がることです。
短期的な問い合わせだけでなく、5年後・10年後を見据えたときに、会社に大きな資産を残してくれます。
仮に年間10本のペースで動画を公開すれば、5年で50本、10年で100本の動画がチャンネルに並ぶ計算です。その一つひとつが住宅の魅力やスタッフの想いを伝え、何年経っても検索や関連動画から新しいお客様とつながっていきます。
10年後には、対象エリアで家づくりを検討しているお客様が自然とこの工務店のYouTubeチャンネルに行き着く、という状態を作ることも夢ではありません。これは短期的な思考では決して得られない価値です。長期的な思考が求められます。
完成現場見学会はイベント、YouTubeは常設展示場みたいなイメージです。物件ごとに一本ずつ動画を並べていけば、数年後には地域の人がいつでも訪問できる展示場がオンラインに整います。
Instagramとの違いは伝えられる情報の深さ
2025年現在で、Instagramを活用していない工務店さんはいないと思います。確かにInstagramは更新しやすく、施工事例の写真を気軽に発信できる便利なツールです。
しかし、Instagramの1投稿で伝えられる情報量には限界があります。InstagramがNGとは言っていません。ただ、情報の深さがYouTubeのそれとは違います。見ているユーザーも違いますね。もちろんInstagramは絶対に活用したほうが良いです。
断熱性能、素材のこだわり、設計の意図、働いている人の人柄、思想、建築のこだわりなど、本来しっかり伝えるべき要素を写真と短い文章だけで説明するのは難しいのです。
その点、YouTubeは動画と音声でストーリーを届けられます。お客様が本当に知りたい未来の暮らし、家づくり担当者の人柄、実際に家を建てた人のリアルな声を丁寧に伝えられます。
これが住宅という一生に一度の買い物とYouTube活用の相性が良い理由です。
では、小さな工務店に適した動画コンテンツとは何でしょうか?
小さな工務店に適したYouTube動画コンテンツ
4つのYouTube動画コンテンツを紹介します。
(1)ルームツアー動画
完成した住宅を動画で紹介していく定番コンテンツです。
YouTubeの特性(AIによるアルゴリズム)上、最も成果につながりやすく、多くの人に見てもらえる可能性があるコンテンツです。ルームツアー動画にもいろんな切り口がありますし、動画制作方法もたくさんの種類があります。
何の戦略が一番効果的なのかはYouTube活用のプロと相談すると良いと思います。弊社では、下記の事例があります。
- たった1本のルームツアー動画を公開しただけで、3ヶ月で9件のお問い合わせを獲得した事例
- 直近2ヶ月の契約棟数が0だった工務店がYouTube運用を始めて4ヶ月後に一気に9棟の契約につながった事例
弊社で制作したルームツアーの参考動画を添付いたします。
(2)工務店で働いているスタッフさん紹介動画
弊社では独自のルーツでお施主様インタビューを実行しています。工務店さんのYouTubeマーケティング支援を行う上で、工務店のお客様であるお施主様を理解することは欠かせないからです。
お施主様からよく聞く意見のひとつに、そこの工務店さんでどんな人が働いているのかがわかる動画があったら絶対に見るというものがあります。まだ契約に至っていないお客様との信頼関係構築のために、スタッフ紹介動画は欠かせないコンテンツと言えます。
弊社でも何本もスタッフ紹介動画を制作しているのですが、住宅会社さんによっては非公開にされている場合が多く参考動画として紹介できる動画が少ないです。下記1本の動画のみご紹介しておきます。
(3)職人さん紹介動画
大工さんや左官屋さんなど、家づくりを支える職人さんにフォーカスした動画です。
契約前のお客様からは、普段見ることができない職人さんを動画で紹介することで、「この工務店は信頼できる職人さんが仲間にいる」「こんな棟梁さんに家を建ててもらいたい」という安心感を与えることができます。
職人さんを動画で紹介するコンテンツも、お客様と信頼を構築するうえでとても重要です。
弊社で制作をおこなった参考動画を共有いたします。
(4)建築現場を紹介する動画
小さな工務店のYouTubeチャンネルには、上棟などの建築現場を紹介する動画コンテンツがあると良いです。お施主様は現場がどのように進んでいるのか、あらかじめ確認しておきたいと思っています。
チャンネル内に建築現場を紹介する動画をたくさん用意しておく必要はないですが、下記のような動画を1本投稿しておくだけでお客様の反応が変わります。
(5)お施主様の声を伝える動画
最後に、必要不可欠な動画コンテンツを紹介しておきます。それはお施主様の声をインタビューした動画コンテンツです。
工務店のYouTubeマーケティングを実行するうえで欠かせない企画です。実際に家を建てたお施主様の声ほど、強い説得力を持つものはありません。
お施主様インタビュー動画の構成や動画制作方法も多岐にわたりますが、下記3パターンの動画を制作していくと良いです。
- お施主様と一緒にまわるルームツアー
- 対談形式でのインタビュー
- お施主様の声でブランディングを意識した動画
3つそれぞれ、弊社で制作した動画を参考までに紹介しておきます。まずはお施主様と一緒にまわるルームツアー動画です。
続いて、対談形式で撮影したお施主様インタビュー動画をご紹介しておきます。
続いて、お施主様の声でブランディングを意識した動画を共有します。
このように、工務店さんが自社で家づくりの素晴らしさを説明するよりも、すでに建てていただいたお施主様のリアルな体験談のほうが、何倍もの信頼を未来のお客様と作ることができます。
YouTube運用の現実と最初の一歩
ここまで記事を読んでみて、「YouTube始めたいけど、自分たちだけで全部はできないのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃると思います。
事実、YouTubeチャンネルの戦略立案、企画、撮影、動画編集、サムネイル制作、投稿作業、分析改善業務をすべて工務店さんが自社で完結するのは非常に難しいです。
小さな工務店さんの場合、家を建てることが本業だと思いますので、YouTube運用を無理に内製化するのは現実的ではありませんね。
では、そういった小さな工務店さんは何からスタートすれば良いのか?
それはYouTube運用の制作パートナーを探すことです。これに尽きます。良い担当者と巡り合うことができれば、YouTube運用は必ず楽しいものになります。楽しく、成果も出るツールになります。
ただYouTubeの良いパートナーを見つけ出すことが困難です。私がおすすめしているのは、単に動画を編集するだけでなく、住宅業界の特性を理解し、YouTubeを通じて住宅の成約という成果を出してきた実績がある会社と組むことです。
YouTubeの制作パートナーを見極めるポイント
YouTubeの制作パートナーを見極めるポイントを3つ具体的にシェアしておきます。
- まずは住宅業界でのYouTube運用実績があるかどうか
- 次にYouTubeだけでなくWebマーケティングを理解しているか
- 単なる動画制作ではなく、成果につながる運用まで支援できるか(ビジネスリテラシーがあるかどうか)
最初にこの目線を持ってパートナー選びを行うと、YouTubeチャンネルがただの動画保管庫ではなく、未来のお施主様との接点を生み出してくれる資産へと成長していきます。
まとめ:小さな工務店こそYouTubeを活用すべき
YouTubeは資本力のある会社が活用するものと思われていたかもしれませんが、実はそんなことはありません。
むしろ一棟一棟を大切に建てられている小さな工務店さんにこそ相性の良いツールです。
- 手掛けた住宅を動画化することで資産として蓄積させることができる
- 過去の実績が未来のお客様との接点をつくってくれる
- InstagramやTikTokなどのSNSよりも深い情報をお客様に届けることができる
小さな工務店さんにとって、YouTubeはやらない理由がないと思います。
まずはYouTubeを一緒に頑張ってくれるパートナー探しから始めてみてください。弊社は九州を拠点にしていますが、全国の工務店さんのYouTube活用に関する相談を受け付けています。YouTube運用のパートナーをご紹介することも可能です。ぜひ一度お問い合わせください。
オンライン打合せにて、松見がYouTube課題を解決いたします。最後まで読んでいただきありがとうございます。