西部ガスリビング株式会社様は、広いリビング・ダイニングとメインベッドルームで構成される1LDKを標準とした平屋のハイブランド “Livtetto” をプロデュースした会社です。
同社は、世代を超えて受け継がれる住宅を目指し、プレキャストコンクリート壁柱と鉄骨梁を組み合わせた新しい構法(PCa+S構法)を採用。これにより、屋内に柱のない大空間を実現しています。
今回、Livtettoをプロデュースした西部ガスリビング株式会社の藤島様と、西部ガスホールディングス株式会社事業開発部の緒方部長に、住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルのルームツアー動画制作から得られた効果や反響についてお話を伺いました。
ご支援内容:住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネル ルームツアー動画制作
プレキャストコンクリート住宅を広める覚悟が決まり、住宅コンシェルジュを選択
松見 住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルで、ルームツアー動画制作を依頼しようと思ったきっかけを教えてください。
藤島様 西部ガスホールディングスさんを通じて鵜飼さんをご紹介いただいたのがきっかけです。
緒方部長 実は、別事業でお世話になっているコンサルタントの方との会話の中で鵜飼さんを紹介していただいたんですよ。
鵜飼 そうでしたね。2024年5月にお会いした際、新規事業のプロジェクトについてお話を伺いました。その後、さまざまな計画が一時停止してしまった時期がありましたが、私から再度お声がけして即決いただいた形ですね。
緒方部長 当時は新規事業のトライアル期間だったこともあり、なかなか決断が下せない状況でした。鵜飼さんが再度お話をくださったおかげで、起死回生の一手を打つことができました。
依頼を決めた理由は、プレキャストコンクリートで住宅を建てている事実を世の中に発信できることに加え、「今後もプレキャストコンクリートで住宅建築を続ける」という後戻りできない環境を作ることが重要だと感じたからです。我々の覚悟も込めてご依頼した次第ですね。
停滞期を抜け出すきっかけとなったルームツアー動画でInstagramのリーチ数が5.6倍に
松見 西部ガスリビング様が元々抱えていた課題はどういったものだったのでしょうか?
藤島様 認知拡大ができないという課題でした。西部ガスというブランド力があっても、一般の方には西部ガスと住宅が結びつきにくく、Livtetto(新規事業)のブランド拡大に苦戦していたんです。また、マーケティング面での力不足を感じ、認知度を上げられずにいました。
住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルにて2024年8月30日に動画を公開していただいた後、8月と9月のホームページとInstagramの数値を比較したところ、ホームページのPV数が約2倍、Instagramのリーチ数が5.6倍に増加しました。
YouTubeは約1か月半で1.3万回再生に達し、YouTubeを始める前に比べて一気に認知度がアップしているのを感じます。
西部ガスリビングにとって、住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルでの動画公開は重要な施策の一つでした。その後もさまざまな取り組みをおこなった結果、このような数値の伸びにつながったと考えています。
住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルでの動画公開後、5~7件の問い合わせや資料請求につながった
松見 住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルで動画を作る前は、自社で動画制作をされていたのですか?
藤島様 社内に動画制作のノウハウがなかったため、グループ会社の告知チームにルームツアーのリール動画を依頼していました。投稿直後はリーチ数が増えるものの、継続的な戦略を立てられず、効果が持続しませんでした。
松見 グループ会社で動画制作をされていたのですね。では、住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルに期待していた効果とは何だったのでしょうか?
藤島様 ”Livtetto” という言葉を幅広い層へ届けることを期待していました。実際、内覧会では「YouTubeを見て来ました」というお客さまの声をいただいたり、エリア外からも来場があったりしたので、効果はあったと実感しています。
住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルでの動画公開後、5~7件の問い合わせや資料請求がありました。さらに、YouTubeが直接のきっかけでなかった場合でも、Livtettoの商品価値を理解していただくツールとして、問い合わせくださったお客さまに住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルのルームツアー動画をご案内していました。
ルームツアー動画とチラシで認知拡大
松見 住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルのルームツアー動画は、ほかにどのように活用されましたか?
藤島様 先ほどお伝えした方法に加えて、Instagramで住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルに紹介されたことを発信したり、お客さまとのメールのやりとりの中で動画URLを添付したりしていました。
また、住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルをはじめ、公式InstagramやLivtettoをご紹介くださった方々のコンテンツが閲覧できるQRコードを、お家づくり相談会のチラシに掲載しました。
鵜飼 このチラシを美容院やカフェで気軽に見ていただければ、QRコードを通じてリーチが広がり、認知度向上にもつながると思います。ぜひ積極的に活用していただきたいですね。
ターゲット層と既存顧客層どちらにも情報を届けられた
松見 ルームツアー動画制作に挑戦されてみて、元々抱えていた課題は解決されましたか?
藤島様 元々あった課題は、西部ガスグループはお客さまの年齢層が比較的高く、Livtettoのターゲット層とは隔たりがありました。この課題解決に取り組むため、ルームツアー動画制作に挑戦してみたところ、想定していたターゲット層だけでなく、既存のお客さま層にもリーチできました。この経験から、YouTubeを活用することは認知拡大に必要だと痛感しました。
松見 YouTubeは若年層向けというイメージがありますが、実際はそうではないんですよね。特に30代から60代の方々が多く視聴する傾向にあるんですよ。
では次に、住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルを通じて、西部ガスリビング様が外部メディアで紹介される形になりましたが、第三者である住宅コンシェルジュの鵜飼さんから紹介されることについて、どのようなお考えをお持ちでしたか?
藤島様 専門家が話すと言葉に重みが増しますし、西部ガスリビング以外の第三者が語ることで、視聴者にとってより受け入れやすくなると感じました。鵜飼さんのご協力があったからこそ、Livtettoの効果的な周知活動が実現できたと実感しています。
緒方部長 実は、Livtettoの良さをまとめたCM風の制作物(動画)を作っていたんです。見た目はきれいにまとまっているのですが、生活感や人の息遣いが感じられず、セリフもないため実際の暮らしが想像しにくいものでした。一方、住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルでは、信頼できる方が重みのある言葉で紹介してくださったので大きな反響がありました。
動画を通じて商品の魅力を再認識
松見 話をガラッと変えまして、藤島様は動画に出られてみていかがでしたか?
藤島様 恥ずかしかったです(笑)。撮影日は交通渋滞でほとんど打ち合わせができずに収録したので、とても緊張しました。元々、カメラが苦手なのですが、みなさん話しやすい環境をつくってくださり、言葉を引き出してくださったので何とか形になりました。
松見 動画に出演したことで、感情やメンタル面での変化はありましたか?
藤島様 Livtettoへの愛着がさらに深まりました!動画を通じて説明することで、Livtettoの魅力を改めて認識できました。また、自分が携わったプロジェクトなので、世の中に広く知れ渡ってほしいという思いが強くなりましたね。将来的には、Livtettoがスターバックスのように誰もが知る身近なブランドになることを願っています。
ルームツアー動画で得られた効果は集客だけではない、社員の意識も変化した
松見 ほかにも何かポジティブな変化はありますか?
緒方部長 具体的な問い合わせが増え、お客さまの生の声を聞けたことで、社員の意識に変化が生まれました。Livtettoの良さを単なる感情論で語るのではなく、裏付けとなる事実を集めて資料化するようになりました。これにより、より能動的に新規事業を推進する姿勢が生まれています。
松見 それは素晴らしいですね。施工に関わった取引業者様に住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルのLivtettoを紹介する動画を送られたとのことですが、反響はいかがでしたか?
藤島様 実際にYouTubeを視聴されたかどうかは確認できていませんが、取引業者様へのお知らせメールの開封率が非常に高く、約100通が開封されたようです。通常、この程度の開封率は見られないので、自身が携わった住宅プロジェクトへの関心が高まり、開封率が上昇したのではないかと推測しています。
YouTubeはお客さまと企業を結びつける強力なツール
松見 西部ガスリビング様の今後の課題や、動画を活用した新たな挑戦について教えてください。
緒方部長 西部ガスホールディングスでは、グループ会社の情報をYouTubeで発信するようになりました。実は、2024年4月から社長自らYouTubeに出演しているんです。当初は「YouTubeに出て何の意味があるのか」「恥ずかしくないのか」と思っていましたが、今の時代、お客さまとのコミュニケーションの一環として、従業員のリアルな声や様子を発信することが大切だと気づきました。
汗水たらして配管作業をする姿を公開し、西部ガスホールディングスがより身近な存在だと感じていただきたいですね。YouTubeはお客さまの日常生活に溶け込んだ媒体です。お客さまと企業を結びつける強力なツールになっていることを実感しました。今後も活用したいです。
長く触れてもらえる、何度も触れてもらえる、それが動画
松見 住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネルを検討される方に向けてひと言お願いします!
藤島様 チラシや新聞などの紙媒体は、一度見たら終わりで情報が更新されにくいリスクがあります。一方、Webコンテンツは、適切な情報の取捨選択が必要ですが、制作後も長期的に活用できるツールです。
実際、住宅コンシェルジュ鵜飼チャンネル以外にも、熊本県で活躍するインフルエンサーの方にLivtettoをブログで紹介していただいたことがあります。時間が経過しても、そのブログがきっかけでLivtettoの見学に来てくださるお客さまがいらっしゃいました。
また、住宅の説明動画を制作しておけば、興味を持ったお客さまからの問い合わせが増えるだけでなく、何度も同じ説明をする手間も省けます。うまく活用すれば、営業担当の負担軽減にもつながるでしょう。
緒方部長 URLを共有するだけで、受け手側の都合に合わせて視聴できる点に動画の価値があると感じました。これにより、よりお客さまに寄り添った営業活動が可能になりますね。
松見 「動画の価値」という観点から考えると、昭和は手紙、平成はメールやInstagramの写真、そして令和は動画という時代の流れが見えてきます。現代では、動画が日常生活に欠かせないものとなっているので、逆に活用しないのはもったいないですよね。
また、文字や写真と比較して、動画は情報を5,000倍も効果的に伝えられると言われており、感情を伝えることができます。住宅と動画の相性は抜群で、家を紹介する手段として動画の価値が非常に高いんですよね。
鵜飼 デジタル化の観点から見ると、住宅業界にはまだFAXを主要な連絡手段とする文化が根強く残っています。そのため、動画を「非常に新しいもの」と捉え、制作に不安を感じたり、恐怖感を抱いたりする方も少なくありません。
ショートメッセージやLINEなど、新しいコミュニケーション手段の導入を試みてはいるものの、依然として紙文化が主流で、昭和から平成への移行さえ十分に進んでいないのが現状です。
一方で、これからお家を建てられるお客さまは時代の流れに乗ってYouTubeを日常的に活用しています。住宅会社は、お客さまが動画コンテンツを求めていること、そして動画が非常に効果的な情報伝達ツールであることを認識してほしいですね。
松見 「動画が怖い」という話が出ましたが、炎上などの懸念から、動画撮影に対する不安はありましたか?
藤島様 最初は確かに不安がありました。ですが、丁寧な編集をしていただけますし、私たちも言葉遣いに気をつけているので、実際に動画を作ってみて良かったと感じています。
大手ハウスメーカーがあらゆる媒体を活用している中、私たちはメディア発信に消極的な企業文化のまま新規事業を立ち上げることになりました。そこで、情報発信をすればどれほどの反応があるのか、また客層に変化が見られるのかといったデータを集めたいとも考え、YouTubeを始めた次第です。
私個人としては、YouTubeでの発信は反響があり、良い結果につながったと実感しています。この経験を機に、「まずやってみる」という企業文化に変わっていってほしいですね。一回限りではなく、費用対効果を見極めながらYouTubeを継続的に活用していきたいと考えています。
松見 高額な費用をかけて、きれいでかっこいい、広告感の強い動画を制作する選択もありますが、実は現代では、そういった動画よりも、YouTubeのようなリアル感のある動画の方が視聴されやすい傾向にあります。
さらに、YouTubeは視聴履歴に基づいて好みのチャンネルを表示するため、単純接触効果が高まり、これからの時代のマーケティングに適した媒体と言えるんですね。
緒方部長 コミュニケーションのための動画と、魅せるための動画を使い分ける必要があるということですね。
松見 そうですね。コミュニケーションツールとしての動画という点で、住宅業界とYouTubeの相性は抜群です。なぜなら、YouTubeが日常生活に浸透している個人消費者(BtoC)がターゲットになるだけでなく、住宅は「一生に一度の買い物」と言われるほど高額で気軽に見学できない商品だからです。そのため、YouTubeのルームツアー動画は特に注目されやすくなっているんですよ。
藤島様 Instagramは流し見するので、性能説明や勉強などのためにじっくり見るのはYouTubeの方がいいでしょうね。何千万円の買い物をするときに、ショート動画を見て買おうとはならないですし。
Instagramは認知拡大のツール、YouTubeは認知拡大に加えてファンづくりのツールというように、それぞれの特徴を活かして使っていこうと思います。
松見・鵜飼 緒方部長、藤島さん、インタビュー取材にご協力いただき本当にありがとうございました。
(撮影・取材/松見達也・鵜飼由香里・山田五香、文/井上優希)
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