大学卒業後、エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後YouTuberとして活躍。2024年10月にCUEのディレクターとして入社され、2か月経過した長本さんに、これまでの経験や現在の仕事について伺いました。
- 大学卒業後、エンジニアとしてメーカーで勤務
- やりたいことを優先し、エンジニアからYouTuberへ転身
- プロデューサーとして複数チャンネルを運営
- 2024年10月株式会社CUEへ入社
- ディレクターとして顧客を勝たせる動画制作に尽力中
趣味をきっかけにYouTube動画制作の道へ
-長本さんはCUEへ入社する前、どのような仕事をされていたのですか?
長本 理系の大学を卒業後、半導体メーカーで製品検査の立ち上げをしたり、マイクを作る会社でスマートフォンに入っている小型マイクロフォンのサンプル設計などをしたりしていました。メーカー勤務だったので、今の仕事とはまったく異なる業界にいましたね。
みなさん「できること」と「やりたいこと」は違うと思うのですが、私にとってエンジニアは「できること」に近く、面白味や幸福が感じられませんでした。
趣味で始めたゲーム実況のYouTubeチャンネルで成果を上げたことをきっかけに、会社を思い切って退職しました。その後、個人事業主として複数のYouTubeチャンネルを立ち上げ、多数の動画編集者とともに4年間チームのプロデューサーとして活動してきました。ジャンルはゲーム解説や恋愛アニメなど、個人が娯楽で楽しむものです。
顧客と視聴者、双方へ価値提供するCUEに魅力を感じた
-個人でYouTube運営をされていたのに、どうしてCUEで働くことを選んだのでしょうか?
長本 私がやっていたYouTube運営は、広告で収益を上げるアドセンスモデルです。アドセンスモデルは再生数が収益に直結するため、とにかく再生数を追い求めることになります。
このビジネスモデルには限界があると感じていたことに加え、個人的な思いとして、100万人もの視聴者を抱える動画を制作していても、本当にその視聴者たちを幸せにできているのかという疑問がありました。
一方、CUEは顧客の課題を解決するためにYouTube運用をし、課題解決の手段を提供することでマネタイズしていくビジネスモデルです。
例えば、CUEでは住宅会社や工務店を顧客にしており、顧客の顧客(個人)が家づくりや家選びで起こるミスマッチを解消するために動画制作をしています。顧客と視聴者(個人)の双方に価値を提供するビジネスであることを魅力に感じ、CUEで働くことを決めました。
-同じYouTubeというプラットフォームを使っていますが、ビジネスモデルが全然違っていたのですね。では、長本さんは現在、どのような仕事をされているのですか?
長本 私の業務は、現場撮影・ディレクション(編集管理)・動画編集・顧客対応や顧客セッション・リサーチや分析・動画編集者の採用と多岐にわたります。
現場撮影や顧客対応は、個人でYouTube運営をしていたときには経験したことのない、初めての業務でした。
撮影や顧客対応など未経験の仕事も刺激的でやりがいがある
-では、現場撮影や顧客対応について、もっと詳しく聞かせてください。まず、初めて現場撮影に行ったときはどんな気持ちでしたか?また、得た学びがあれば教えてください。
長本 率直に言うと、新鮮で刺激的でとても楽しかったです!
初めての撮影でも不安なくポジティブでいられたのは、松見さんや山田さんが撮影同行してくださり、事前に機材の操作方法や視聴者に伝わりやすい画角についてしっかりとレクチャーしてくれたからだと思います。
また、台本については、丸暗記するのではなく、内容を理解することに重点を置いています。これは、「台本通りに撮影しなければならない」という固定観念から解放され、現場で柔軟に対応できるようにするためです。台本を完璧に覚えようとすると、かえって緊張して動きが鈍くなったり、演者さんのアドリブに対応できなくなったりする可能性があります。
台本は、撮影の目的や意図を理解するためのガイドラインとして捉え、台本を読むときには「撮影する家は、こういう見せ方をすると視聴者が面白がってくれるのではないか?」というワクワク感を大切にし、楽しみながら当日を迎えるようにしていました。そのため、初めての撮影でも刺激的で楽しかったのだと思います。
「台本=動画の目的を理解するためのもの」という意識を持っていれば、丸暗記しなくても自然と台本の内容が頭に入ってきます。「○○しなければならない」という思考を捨てるのが大切ですね。
撮影を通して気づいたのは、単にカメラの操作がうまいだけでは良い動画は撮影できないということでした。住宅(被写体)の魅力をどう伝えるか、また演者に最適な動きをしてもらうにはどうすれば良いかなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。
例えば、杉材を使った床を紹介する場合、現場にいる私たちは木目や木のぬくもりを五感で感じられますが、視聴者は視覚的な情報しか得られません。実物の質感が伝わるような撮影方法や、その魅力を演者へ効果的に表現してもらう工夫など、打ち合わせ時に検討し実行していく必要があります。
この過程は難しさもありますが、同時にとてもやりがいを感じています。
-紹介する被写体が人ではなく住宅とあって、視覚以外で感じた魅力を視聴者へ伝えるのは難しそうですね。次に、顧客対応や顧客セッションについてお聞きします。これまで自チャンネル運営と大きく違うのが “顧客がいるか否か” だと思います。会社の顔として顧客対応する難しさや見えてきた課題、喜びなどがあれば教えてください。
長本 これまでは主導権を持ち、リサーチ・分析した内容を編集者に伝えて自由に動画制作を進めてきました。
しかし、BtoB事業では全ての決定権が自分にあるわけではありません。顧客の要望を取り入れつつ、アナリティクスから読み取れる視聴者の要望も取り入れる必要があるのです。要は、視聴者・顧客それぞれの期待を超えていかなければならないということですね。
動画制作を全て委託したいと思う顧客がいる一方、全て自社の要望に合わせてほしいと思う顧客もいます。こうした顧客の特徴を理解し、期待を超えていくのは難しいと感じますが、難易度が上がる分、挑戦したい気持ちが高まります。
また、顧客の期待というのは顧客ごとに異なります。顧客それぞれの期待を超え、目標や将来像をかなえていくのがCUEの仕事です。顧客ごとに異なる目標や将来像をかなえていく過程は大変でもあり、やりがいもあります。
ただ、顧客の目標や将来像をかなえることには注意点があって、顧客が求める動画を作れば良いというわけでもないのです。
視聴者から見た「企業・商品イメージ」と「動画のイメージ」とが合わなければ、誇大広告や商品クレームにつながりかねません。視聴者から見た企業イメージを動画に落とし込むことは非常に大切なのです。
しかし、視聴者から見た企業イメージを顧客へ理解していただくのが何よりも難しく、スムーズに制作へ進めないときもあるので顧客対応の難しさを感じています。こうした難しさを感じたときには、相手の感情もなるべく言語化して、自分の中で整理するように努めていますね。
顧客対応やセッションには難しさがある一方、顧客理解を深め、顧客の求める動画と私たちの考えが一致したときには顧客からの信頼を実感でき、大きな喜びを感じます。
どちらも個人でチャンネルを運営しているときは得られない貴重な体験です。入社前は正直言って、ここまでの体験ができるとは思っていませんでした。
私は、BtoCよりもBtoBのビジネスモデルの方が生き残りやすいと考えてCUEへ入社したわけですが、ここまで顧客と対峙して動画制作しているのかと感心したほどです。CUEの社内でよく言われる「顧客を勝たせる」という言葉の裏側を絶賛、体験中ですね。
-長本さんの言葉から、顧客理解を深めることで信頼関係が築かれ、信頼関係が円滑な動画制作につながる。その結果、成果を出して顧客を勝たせられるという好循環が生まれているように感じました。ちなみに、長本さんが得意とする業務は何ですか?
長本 私の得意分野はリサーチ、分析、仮説立てと言語化、それに基づくアクションプランの作成です。特にリサーチと分析は趣味と言えるほど没頭できる業務です。
幼い頃から「これはどうなっているんだろう?」という好奇心が強く、物事を理解したいという欲求が自然と湧いていました。そして、ある程度物事を理解できると「では、こうしたらどうなるだろう?」と実験してみたくなる性質があったんです。
今でもその習慣は続いていて、ペットのインコの餌であるヒマワリの種を「これって育つのかな?」と思って庭に撒いてみたり、芽が出たら苗ごとに肥料や日照条件を変えてみたりして、プライベートでは小学校の理科の実験のようなことをして楽しんでいます。
もちろん仕事でもこの性質は活かされていて、例えば、競合チャンネルの動画がバズっていたら、バズった理由を納得するまで理解したくなるんです。理解したくてウズウズするほどですね(笑)
サムネイル、タイトル、台本、動画構成など隅々まで分析し、他の類似動画との違いを洗い出し、なぜその動画がバズったのか、そして自分のチャンネルでそのバズを再現できるのかを考えて仮説検証をおこなっています。
仮説を立てて言語化する能力については、周りからよく評価されますが、私自身はそれほど意識したことはありません。努力して身につけたというよりも、自然と身についた思考プロセスだと感じています。
-では逆に、苦手と思う業務はありますか?
長本 ルーティンワークが苦手です。決められたことを決められた通りに繰り返し実行するのが昔から特に苦手なんです。
YouTubeに関する業務でいえば、アップロードの作業ですね。
アップロード時に設定するタイトルや概要欄をどう活用するのかを考えて仮説検証するのは大好きで得意ですが、あらかじめ考えておいたタイトルや概要欄の文章を間違えずにコピペする単純作業は苦手です。
こうした単純作業ではミスが多いと自覚しているため、作業時には特に注意を払っています。ルーティン作業の中にも、仮説検証の要素が埋もれているので、ルーティン作業は必要なものとしておこなっています。
-得意な業務と苦手な業務について伺いましたが、一番好きな業務はありますか?
長本 難しい質問ですね(笑)一番を決めるのが難しいんですよね!
先ほど「リサーチ、分析、仮説立て」が得意だと言いましたが、現在担当している顧客のチャンネルは立ち上げ直後で柔軟性があります。そのため、戦略的な観点から動画制作や編集に取り組めることがとても楽しいんです。なので、一番好きな業務というのはないですね!
ディスカッションできる仲間、認め合う仲間がいる喜びは大きい
-CUEで働く中でうれしかったことや喜びを感じた瞬間があれば教えてください。
長本 YouTube制作の仕事に就いて4年経ちますが、CUEで働く中で、特にうれしいと感じたのは仲間がいることでした。同じ視座でディスカッションを交わし、顧客により良い提案をできるのは良い環境だと感じます。
例えば、撮影現場までの車中で交わされた会話から、抱えていた課題が整理されたりアイデアが生まれたりすることがありました。こうした課題解決やアイデア出しは一人でおこなってきたので、壁打ち相手がいる喜びを感じています。
加えて、私とCUEがやってきたチャンネルの知見は異なり、作業方法に至るまで違いがあります。こうした違いを知見とみなし、良い部分は取り入れてくれるので、柔軟な職場だと感じています。自分の良いと思ったことや自分の考えに対して共感してくれる場面が多いので、おかげで楽しく働けています。
5年以内にCUEを勝ち馬にし、“自分の本質”を活かして働きたい
-入社2か月が経ち、入社動機は達成できましたか?また、今後CUEでどんな未来を描きたいですか?成し遂げたい個人目標があれば教えてください。
長本 入社動機は、BtoBのYouTube制作に携わることだったので早々に実現できました。今は、今後3年から5年でCUEを勝ち馬にすることを目標にしています。顧客も集まる、CUEで働きたい人も集まる、そんな会社にしていきたいですね。
CUEを勝ち馬した後は、自分の本質的な楽しみ(want to)を実現させていきたいです。先ほど、仕組みや物事を理解して検証するのが好きとお伝えしましたが、これを続けていきたいと思っています。
ありがたいことに、CUEでは分析や検証、言語化する文化が色濃く、私の本質的な楽しみを継続できそうな予感がしているんです。
私にとって、ディレクターとは軍師のような仕事なんです。編集者さんの得意不得意を掴み「誰にどんな仕事をお願いするか」「どんなチームにしていくか」「どのスキルを伸ばせばチームの強化につながるか」などを考え、顧客とCUEを勝たせていきたいですね。
ー熱い目標ですね!では最後に、長本さんからみたCUEメンバーの印象を教えてください!
長本 松見さんは、しなやかで柔らかい人当たりの良さを持ちながら、実はとても熱い一面を持つ方ですね。人をよく見ており、成長につながることがあればしっかりと本人に伝え、人を大事にされる方です。
山田さんは、とてもロジカルで定量的に物事を考える方。非常に論理的な思考の持ち主でありながら、思考を言語化するのが苦手なところに、不思議な魅力を感じています。少しわかりにくいかもしれないので説明しますね。
私は物事を考えるときに、言語を使って論理的に考えています。そのため、考えを誰かに伝えるときは自然に言葉が出てきます。
一方、山田さんは、山田さんだけが持っている何らかの思考媒体を使って論理的に考えているようなんです。そのため、自分の考えを言葉にするのが難しい。言語ではない別の思考媒体を持っているところが魅力なんですよね。
同じチームの間さんは、ひたむきに仕事に取り組む方ですね。与えられたルールの中で最大限のパフォーマンスを発揮してくれるため、安定感があります。私とは真逆のタイプなので、お互いの強みを活かして顧客をリードしていきたいです。
今回は長本さんの多彩な経験や、CUEでの新たな挑戦について詳しくお話を伺うことができました。エンジニアからYouTuber、そしてCUEのディレクターとして、常に仮説と検証を重ねながら成長を続けてこられた長本さん。今後も顧客とCUEの成長に向けて、チームの力を活かしながら新たな価値を生み出していってくださることでしょう。
これからの長本さんとCUEの更なる飛躍に期待が高まります。本日は貴重なお話をありがとうございました。