参入障壁がほぼゼロのInstagramは、住宅業界に限って言えば、今や単なる「生存確認」のためのツールに過ぎません。
写真1枚、あるいは数秒のリール動画だけで、数千万円という一生に一度の買い物を決断する顧客の信頼を勝ち取ることは、現実的ではないからです。
それにもかかわらず、住宅業界の多くの企業が、この浅い接点のために多額の予算と社員の貴重な工数を浪費しています。その結果、成約にはほど遠い薄いリードを量産し続けてしまっているのが現状です。
実は、2026年の住宅集客で勝つための最適解は、非常に明確です。
それは、Instagramを「広報・接点」と割り切って自社で運用する一方で、YouTubeを「顧客教育・信頼獲得」の核に据え、戦略的にリソースを全投下することです。
目次
Instagramは名刺、YouTubeは教室である
参入障壁がゼロの市場に未来はない
そもそも、Instagramは参入障壁が低く(ほぼゼロ)、誰でも無料で気軽に始められますよね。ビジネスは顧客の奪い合いですから、誰でも始められるInstagramだけで勝負しているようであれば、当然、集客は現状維持、もしくは衰退していきます。
現在、多くの工務店やハウスメーカーがInstagramに力を入れていますが、まずはこの現実を直視しなければなりません。ライバルが無限に増え続ける場所で、ただ綺麗な写真を投稿し続けるだけの戦略に、果たして持続性があるでしょうか。
誰もが簡単に参入できる市場は、必然的に激しい価格競争と見せかけの華やかさを競い合うレッドオーシャンへと化します。
Instagramだけで勝負をし続けるリスクは、主に3点に集約されます。
- 差別化ができず、結果的に選ばれない
- いいねは増えても、信頼は増えない
- 資産として積み上がらず、労働集約から抜け出せない
Instagramの写真で、Instagramの短いリール動画で、住宅の成約が決まることはほぼないですよね。でも、認知のきっかけになることはあります。ただ、顧客の教育やファン化はできないということです。
一瞬のインプレッションか、数十分の滞在時間か
InstagramとYouTubeの決定的な違いは、お客様が費やす時間の長さと視聴の姿勢にあります。
現在、Instagramではリール動画の活用が推奨されていますが、リール動画は受動的な視聴です。お客様は流れてくるエンタメ的なコンテンツを、無意識に消費しているに過ぎません。これはいわば、街中で配られているチラシを、内容を深く読まずに受け取るような感覚に近いものです。
対してYouTubeは、お客様が自ら検索し、サムネを選んで、タイトルを確認して、再生ボタンを押して視聴するという能動的なプロセスを経て接触します。特にその動画が、家づくりの悩みを解決してくれる内容であれば、お客様は数分から数十分という長い時間を費やしてくれます。
現代のマーケティングは、可処分時間の奪い合いです。未来のお客様から貴重な時間を先に頂戴し(実際に対面する前に時間を預かるイメージ)、それに見合う有益なコンテンツを届ける。この時間の占有こそが、信頼関係の土台となります。
YouTubeは動画版のホームページ。この未来は確実にくる
YouTubeはこれまでのホームページと同様に、住宅会社の顔になるプラットフォームになります。近い将来、住宅会社1社につきYouTube1チャンネルは当たり前になっていると思います。
2026年の顧客教育は対面から視聴へ
YouTubeを視聴し、その会社や担当者への信頼が十分に高まった段階で初めて、モデルハウスを訪れたり、対面の打ち合わせを申し込んだりする。2026年、住宅業界の集客はこの流れが主流となりつつあります。
そもそも、会う前にお客様の心を掴むことができていれば、これほど商談がスムーズに進むことはありません。YouTubeで成果を出している住宅会社は、例外なくこの状況を作り出しています。お客様が契約するつもりで初来店されるケースも、決して珍しいことではなくなっているのです。
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この変化により、対面で会う時の目的も劇的に進化します。
従来、初来店の目的は「話を聞くこと(情報収集)」でした。しかし、YouTubeで教育されたお客様は違います。動画を通じて得た知識や、画面越しに感じた担当者の人柄といった感覚が、自分に合っているかを確かめるための「答え合わせ」として来店されるのです。
お客様はすでに住宅会社の思想や特徴を動画で理解し、納得した上で目の前に座っています。そのため、営業担当者はお客様を説得する必要がありません。動画では伝えきれなかった個別の悩み解決や、具体的なプランニング、資金計画に即座に移行できるため、成約までのスピードも圧倒的に早まります。
「まずは会ってから説明する」という旧来の営業スタイルは、お客様の時間を奪う非効率な手法になりつつあります。YouTubeという動画版ホームページで、事前に深い教育を終えておくこと。これが、これからの住宅会社が真っ先に取り組むべき、営業の自動化戦略なのです。
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戦略的リソース配分。予算と人工をどこにベットすべきか
Instagram外注化は、実は機会損失である
結論から申し上げます。Instagramの運用を外部に丸投げすることは、今すぐ見直すべきです。そこに多額の予算や工数を割くのは、経営判断として非常にもったいないと言わざるを得ません。
Instagramの本質は、等身大の日常や現場の空気感、そして社員の顔が見える親近感にあります。外注業者が作成する、整いすぎた綺麗なだけの投稿では、お客様の心は動きません。むしろ、自社の社員がスマートフォンで撮影した、少し無骨でも熱量の伝わるストーリーズや投稿の方が、今の時代のお客様には深く刺さります。
Instagramは自社のリソースで、無理のない範囲で運用すれば十分です。そこに外部コストを投じる余裕があるならば、そのすべてをYouTubeという、より成約に直結するプラットフォームへ全振りしたほうが良いという考え方です。
YouTubeこそが経営課題を解決する
今の時代、住宅ほどYouTubeと相性の良い業界はありません。これに気づいている会社と、いまだに流行りの縦型ショート動画を目的なく量産している会社との間には、埋めがたい格差が生まれています。
ショート動画自体が悪いわけではありません。しかし、限られた予算と工数を投じてまで、今最優先で取り組むべきことが数十秒の動画制作なのでしょうか。意思決定者の方は、ここを真剣に考える必要があります。ショート動画で認知を広げても、その先に確かな信頼を築く長尺の教育コンテンツがなければ、エンタメコンテンツを無料で提供して終わりということになってしまいます。
私はこれまで6年間、住宅会社のYouTubeマーケティングを支援してきましたが、YouTubeを真剣に運用し、戦略的にコンテンツを積み上げてきた会社は、ほぼ例外なく勝ち残っています。
YouTubeは単なる集客ツールではなく、信頼構築、営業効率化、そして採用といった、住宅会社が抱える根深い経営課題を解決する力を持っています。その場限りの流行を追いかけるのではなく、5年後、10年後の資産となるYouTubeにリソースを集中投下すること。これが、2026年の住宅経営における最も合理的な選択だと考えています。
結論:Instagramは社内運用、YouTubeに予算と工数をフルベットしよう
住宅業界におけるSNS活用の正解は、極めてシンプルです。Instagramは名刺として社内で運用し、YouTubeは教育・信頼獲得のプラットフォームとして、予算と工数を集中投下することです。
Instagramは、認知のきっかけや生存確認、つまり「この会社は今日も元気に活動しているな」と思ってもらう役割を担います。ここに必要なのは、整った広告写真ではなく、現場の熱量や社員の日常といった、社内の人間にしか出せない「生の情報」です。ここに多額の外注費をかけるのは、費用対効果の観点から合理的ではありません。
対してYouTubeは、顧客教育と信頼獲得という、住宅営業における最も重要なプロセスを担当します。
もし予算を投じる場所を迷っているのであれば、将来的な見返りが大きく、積み上げの効くYouTubeにベットすべきです。
Instagramの投稿は数日で消費されてしまう消費型のメディアですが、YouTubeは5年後も検索され続け、お客様を教育し続ける「ストック型」の自社メディアになります。この資産を今のうちに育て上げることができるかどうかで、数年後の集客力には取り返しのつかないほどの差が生まれるでしょう。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。